2017年05月10日付

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小学校の交通安全教室で昨今、以前は見られなかった光景がしばしば目にされるという。高学年で自転車に乗れなかったり、安全に操作できない―がその代表格だ。乗れる乗れないは、本人のやる気と慣れで克服できるもの。懸念すべきは、そこに至る背景だろうか▼長年にわたり交通安全教室で指導する警察官や交通安全協会役員らによると、自転車に乗れないほか、車道側に体を傾けて乗り出したり、ブレーキがかけられず足で止めようする光景が散見されるという。危機管理や危険回避への意識の薄弱さを心配する▼子どもにとって自転車が最適の移動手段で、欠かせない存在だったのははるか昔のことなのだろうか。遊びも習い事も自転車利用を前提に考えられていた。だが現在は車の送迎が中心で、自転車の出番が少なくなっているという▼昨今の交通事情や忙しい子どもの生活サイクルを考えればそれも致し方なかろう。交通法規を守って歩道や横断歩道を歩いているにもかかわらず、事故に遭う例が各地で発生している。最大限の安全策をとる親の心情にふたをすることはできまい▼ただ、危ないから―と全て周囲が危険を取り除いてしまったとしたら、子どもたちはいつ危機管理や危険回避能力を身に付けられるのだろうか。いくばくかの経験則は欠かせない。安全は第一。でも、自らペダルをこいで小さな冒険ができる環境も求められている。

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