知的障がい者支え40年 岡谷のこだま教室

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生活訓練や社会参加活動に取り組んでいる「こだま教室」=2月25日、エコファおかや

知的障がい者の家族らでつくる岡谷市手をつなぐ親の会(宮坂久雄会長)が運営し、生活訓練や社会参加活動に取り組む「こだま教室」が、今年度で40年目を迎える。受講生と家族の高齢化が進む現状や、障がいへの理解や対応が不十分な社会に直面するなど、課題が浮き彫りとなっている。

「楽しかったです。ありがとうございました」。今年3月の昨年度閉講式で、受講生代表の声が響いた。教室は20~50歳代の29人が登録。社会や人との関わりを広げ、向上心を高めよう-と、23回にわたる活動に取り組んできた。

このうち買い物学習では、店内で一人ひとりが好みの品を選んで計算し、支払うまでを体験する。市内のスーパーやドラッグストアに協力を求めたところ、受け入れたのは1店舗のみだった。商品棚の前で受講生らがまごつくと、一般客から「邪魔だ」と言われることもあったという。

重度の障がいを持つ長男の母親濱蕗子さん(75)は、同会が設立した「NPO法人岡谷市手をつなぐ育成会」が運営するグループホームの立ち上げに関わり、わが子を入所させた。「自分が目をかけられるうちはいいけれど…」。地域の理解や支えに不安を感じ、自分が先立った後を心配する。

これまでの活動の成果として、宮坂会長(70)=銀座=は「受講生たちに互いを思いやる気持ちが育ってきた」と目を細める。自分より障がいの重い人に手を差し伸べ、孤立しそうな人には声を掛けているという。学習面では、集中力が高まっているとし、今後はニュースポーツを取り入れるなど新たな学習にもつなげていく考えだ。

「親の力の続く限り継続してやりたいが、年老いて動けなくなったらどうするのか」。40年の節目を迎え、教室の在り方を模索する一方で、宮坂会長は苦悩を口にする。地域の支えこそが必要とし、「障がい者を排除するのではなく共生する社会でなくては。生まれ育った地域に根付き、支え合って暮らす世の中であってほしい」と願っている。

14日には今年度の開講式が行われる。

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