上伊那の消防団員 定数充足は3市町村

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上伊那地方8市町村の消防団が、2017年度の新体制で活動を始めて1カ月が過ぎた。春季訓練も終わり、新入団員も団の一員として活動を本格化させている。消防団員の確保が難しくなっているといわれる中で、各団は必要とする人員を確保できたのか―。2017年度の現状と団員確保策を取材した。

上伊那8消防団のうち、定数を満たしている団は駒ケ根、辰野、宮田の3市町村だった。ただ、定数を確保している辰野町でも「幹部経験者が再び団員となって残る事例が増えている」(事務局)といい、団員確保の厳しさは増している。充足率が9割に満たないのは3団で、伊那市は定数の82・3%の団員で今年度がスタートした。

新入団員は15~52人だった。各団、団員確保には苦労しており、「本人の同意を得ることも難しいが、家族の同意もなかなか得ることができない」(飯島町)、「分団幹部が地区の若者の家を何度も回り、お願いして入団をしてもらうケースが多いのではないか」(駒ケ根市)という声も聞かれた。

各団は団員確保のために広報誌やPR映像を使った啓発を実施。消防団員サポート事業など事業所等の協力を得た優遇・優待制度の導入や、処遇の改善に取り組んでいる。辰野町では「消防団員は大変―」というイメージを取り除こうと、今年度、密度を濃くして時間を短縮した春季訓練を行った。

今年度52人の新入団員を確保した伊那市は「団員増加の効果は顕著に表れてはいないが、毎年50~60人の確保はできている」とする。学生団員にも入団を促すために、信州大学と連携して市内在住の大学生の入団啓発や就職活動支援を兼ねた「大学生等消防団活動認証制度」を導入。少年消防クラブやポンプ操法大会での体験会など、幼年、少年時からの働きかけで、将来の団員確保につなげる取り組みを続けている。

行政サイドも支援に力を入れており、宮田村は消防団員世帯応援助成金を新設し、今年度から団員世帯の区費に対して5000円を助成。中川村は実働団員を対象に村内事業所で使える1万円分の商品券を交付している。箕輪町では従来の出動手当のほかに、団員家族に対する出動報奨金を支払う方向で検討を進めている。

女性の入団も期待されている。現在女性団員が最も多いのは南箕輪村で、33人が在籍している。同村では全団員に占める割合が15・9%と上伊那地方では突出。男性団員と同様の活動をしている点や、女性団員の8割近い26人が村職員という特徴もある。

全団員に占める市町村職員の割合が最も高かったのは南箕輪村(25%)だった。団員の4分の1が村役場勤務という状況は、平日昼間の火災などへの対応で利点はあるが、村消防委員会では「大規模災害時には役場職員は災害対策本部での対応となる。実際に各地区の消防団としての活動ができなくなることもある」とし、今後検討すべき課題に挙げている。

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