2016年3月26日付

LINEで送る
Pocket

JR中央東線の特急あずさは1966年(昭和41年)に運行を始めた。今年で50年になる。中南信と東京を直結する特急として利用度は高い。現行のスーパーあずさ(E351系)が93年に登場した時は、まるで航空機のようなスマートな車体に感心した。さらに新型車両が開発中で、近い将来営業運転されるという▼100年近く前の大正時代後半の資料をみると、新宿-上諏訪間は鉄道で8時間以上もかかっていた。今なら最速で2時間少しだ。それだけでも隔世の感があるが、諏訪や松本地域の沿線自治体は一層の高速化を求めている▼今年1月、リニア中央新幹線の品川駅が着工した。東京と名古屋を結ぶ起点駅だ。南アルプスを貫くトンネルも、この夏には長野県側で工事が始まるという。2027年の開通に向け、少しずつ現実味を帯びてきた▼リニアの最高速度は時速約500キロ。東京-名古屋間は最速40分だというが、速すぎていま一つイメージが湧かない。リニアが開通する予定の11年後には、特急あずさも今より速くなっているかもしれない▼公共交通機関がスピードアップするのは、いいことには違いない。しかし、それが社会のゆとりや豊かさにつながるかは、また別問題だろう。高速交通システムをどう役立てるかは人間次第だ。人や物資が高速で通り過ぎていくだけでなく、沿線の地域にも元気が出るような知恵が求められている。

おすすめ情報

PAGE TOP