不折生誕150年展始まる 高遠町歴史博物館

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伊那市高遠町歴史博物館は25日、合併10周年記念特別展「中村不折生誕150年 己を広げ己を高め」のオープニング式典を開いた。パリ留学時代に親戚に送った絵はがきを初公開。地元ゆかりの洋画家で書家の不折(1866~1943年)の貴重な資料を展示する。

不折は幼少期を高遠で過ごし、苦学して絵の修行を重ね、夏目漱石の「吾輩は猫である」、森鴎外の「若菜集」などの挿絵を担当した。「新宿中村屋」「真澄」のロゴを書いた書家としても知られる。

絵はがきは、高遠に残る中村家のアルバムの中から見つかった。法学者の加藤正治と連名でパリで芸術品を見て回る留学生活の様子がつづられている。東京の自宅が空襲で焼けているため、留学時代の資料は貴重という。

展示会場には、少年時代に描いた絵をつなげた巻物や、堂々とした筆遣いで「慶維新」と書かれた額装、不折の名前を一躍高めた独自の書体の「龍眠帖」などが並ぶ。苦学して洋画家としての地位を確立し、中国の書の散逸を防ぐために博物館を建設した不折の歩みを時系列で知ることができる。

笠原千俊館長は地元に不折の書が多く残っていることから「地域の人たちが不折の書を買い求め、博物館建設の費用になった。不折と伊那の人たちが互いに支え合っていた」と解説した。

6月19日まで。午前9時~午後5時。入館料400円、小中学生200円。月曜日休館。祭り期間中は無休。問い合わせは同博物館(電話0265・94・4444)へ。

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