2017年05月21日付

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開け放った窓から柔らかな風が吹き込んで、室内にヨモギの香りが広がる。富士見町内で園児が草だんご作りを楽しんだ。家庭での調理の機会が少なくなっているので、子どもには貴重な体験だ▼まずは野に繰り出して摘み取る葉を選ぶことから活動は始まる。小さな指で、先端の柔らかそうなところをそっとつまんで収穫。集めた葉を洗ってゆで、すりつぶすといった工程も知った。ヨモギを加えて粉を練る段では、「白いお餅が緑色になったよ」と目を丸くした▼自分たちで採って、調理して食べるという”おいしい体験”をした園児たちはその後、道端にヨモギを見つけると摘み取ったり、家庭でも調理をねだったりするそうだ。園長は、「子どもにとってそれまでは『ただの草』が、食べられる草へと見方が変わる。これが大切な体験」という。自然への理解とともに命をつなぐ知恵、生きる力になる▼野山が芽吹くと、心落ち着かないという人もいるだろう。山菜好きにはたまらない季節だ。路肩に車を停め、コゴミか、ワラビか熱心に摘む人の姿もしばし見かける。春の収穫は終盤だが、秋のキノコまで自然は多くの恵みをくれる▼ただ、採取に夢中になって転落や行方不明、有毒植物と間違える誤食など事故も相次いでいる。危険に目を配りつつ、今の時代なら、採取がその場の生態系にどう影響を与えるかを考える気遣いもちょっとほしい。

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