2017年5月22日付

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「冒険」とは、「危険を承知(不成功を覚悟の上)で行うこと」(新明解国語辞典)とある。誰にもできることではない。だからこそ、達成した人が語る言葉には説得力がある。達成感はいい笑顔を生む▼自転車で世界157カ国、15万キロ超を走破した岡谷市の小口良平さん(36)が、「スマイル! 笑顔と出会った自転車地球一周157カ国、155502km」と題した体験記を出版した。これまで何度か講演会で小口さんの話は聞く機会があったが、同書を読むと改めて、大したものだと思う▼旅は決して順風満帆だったわけではない。インドネシアではタクシーと衝突して前歯2本を折る交通事故、タイでは腸チフスで4日間の入院、イランでは強盗にも遭う。ほかにも現地の食べ物、小口さんの言葉を借りれば「ソウルフード」でお腹をこわすことはたびたびだったようだ▼それでも彼が走り続けたのは、世界一周をするんだという強い意志と覚悟を持ち続けたからだとわかる。本人は「迷って、壁にぶつかって、その度に人に助けられて、自分の無力さを痛感して…」と言うが、強い意志と覚悟が迷いを吹っ切り、壁を乗り越える力を生み出したに違いない▼「こんにちは」と「ありがとう」「おいしい」―同書でも紹介している「魔法の3つの言葉」を話す時の小口さんの笑顔は、まさに「スマイル」。貴重な旅の記録のタイトルとしてピッタリだ。

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