クマ撃退へ超音波装置試験 伊那市

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ツキノワグマ対策で伊那市小沢の山林内に試験導入された超音波を発生する装置

伊那市有害鳥獣対策協議会(会長・白鳥孝市長)はツキノワグマを人里に近寄らせない対策として、地震の前兆で発生するのと同じ超音波を使って撃退する鳥獣被害対策装置を同市平沢に試験導入した。近隣には伊那西小学校があり、児童の安全確保にもつなげながら効果を検証する。22日に市役所で開いた同協議会総会で報告した。

超音波は地面に亀裂が入る時に起きる「AE波」で、鳥獣は付近一帯を危険と認識して周辺から忌避するという。今回導入したのは群馬県のアンナカが開発したAE波発生装置「バリアトーン」。全国の自治体や民間約300カ所で利用され、鳥獣対策に効果を上げているという。クマについても県内では上高井郡高山村で導入されており、同社の安中浩社長(65)は「ひと山(2~3キロ)程度撃退でき、音波が出ている限り効果が持続する」と説明する。

伊那市の協議会はクマ対策に先駆けて4月、カラス対策用として同市西春近のブロッコリー畑に同装置を設置。畑が掘り返されるなどの被害がなくなっており、関係者はクマへの効果も期待する。

同市の昨年度の有害鳥獣捕獲数で、クマは63頭と過去5年間で最多。前年度に比べて2.5倍に増加した。近年のクマの農業被害は年間100万円前後だが、目撃情報などを合わせて西山山ろくの横山、ますみケ丘、西春近に集中している。今回の装置はアンナカ社から無償貸与を受け、横山、ますみケ丘にも近くクマがたびたび出没する小沢川の段丘上の山林に設置した。

この日の同協議会総会では、同市の有害鳥獣対策事業の状況を報告した。ニホンジカの捕獲数は前年度よりも296頭少ない1170頭で5年連続減少。「対策効果で個体数が減っているのでは」との見方も示される一方、中央アルプスの高山帯への拡大防止の推進など対策の継続を確認した。

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