2017年05月24日付

LINEで送る
Pocket

こまめに水分の補給を―。ここ数日、耳目に触れない日がないほどに呼び掛けられている。生命の危機にも通じる熱中症を警戒してだが、一定の年代以上にとっては「水分補給を」は実に耳心地よく、一方で隔世の感を抱かせる響きとして受け止められているのではなかろうか▼学生時代の運動部では「練習中に水を飲むな」は一般的だった。理由はわからない。「水を飲むと調子が悪くなる」とか「根性がない」などとは言われていたが、医学的あるいは科学的根拠を示す説明は、指導者や先輩を含めても一切なかった▼ラグビー部で引き継がれていた伝説の一つに「ボールをわざと草むらに蹴り込み、取りにいくふりをして草についた露で喉を潤していた」があった。思い浮かべる光景は滑稽だが、切実さがわかるだけに笑うに笑えない▼ラグビーでは「魔法の水」といわれるやかんの水が有名で、水分は足りていたかの印象があるが、恩恵にあずかれるのは衝突し気を失った時だけだった。現在は科学的根拠に基づき、試合・練習を問わず補給体制は整っている。時代は確実に移り変わっている▼運動部ならずとも、根性や慣例で体調は維持できるものではなかろう。悪徳商法ではないが「自分だけは大丈夫」の自信の裏にも危険は潜んでいそうだ。まずは自らの状態を冷静に捉え、判断するのが肝要か。キーワードは「喉が渇いてからでは遅い」らしい。

おすすめ情報

PAGE TOP