2017年05月28日付

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しっかり議論することが大事なのに、お任せ民主主義に戻ってしまった―。いわゆる「共謀罪」法案が衆院法務委員会で可決された19日の夜。飯田市で開かれた民進党の集会に参加した県選出の杉尾秀哉参院議員は、一強体制が続く安倍政権下の政治情勢をこう嘆いた▼同法案について野党は、特定秘密保護法、安保法制に続き「戦争する国づくり、言論や思想信条の自由への弾圧の総仕上げだ」と強く反発する。一方の与党側は、テロ事件が増える国際情勢や東京五輪を見据え、テロ対策を強調。犯罪主体を「組織的犯罪集団」と限定し、「一般人が対象になることはない」とする▼しかし国会審議では野党と法務大臣のもどかしい応酬ばかりで、議論が煮詰まる様子はうかがえない。それでも与党側は議論が出尽くしたとし、30時間余の審議で押し切る形で採決。法案は衆院も通過した。杉尾氏は、議論による合意形成を根幹とする民主主義が危機にあると訴えたのだろう▼県内も含め各地で反対派によるデモ活動も行われているが、広く国民がこの問題を共有できているのかも疑問だ。採決ありきとも受け取られかねない国会審議が、国民の関心を遠ざけてしまってはいないか▼法案は明日から参院で審議入りする。この先には、国や私たちの生活の基となる憲法の改正論議も本格化するとされる。このままお任せ―に慣れていくことへの怖さを感じる。

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