2017年06月02日付

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朝目覚めたときに、脇腹のあたりに違和感を覚えた。出勤前の慌ただしいさなか、おできでもできたのだろうと特に確認もしなかった。異物を感じながら仕事をしていると、やがて鈍い痛みが襲ってきた。体の側面が焼けるように熱い▼徐々に痛みは増し、もはや耐え難いものになった。脂汗がシャツをぬらす。気分が悪い。吐き気を催したためたまらず早退した。家人に体を見てもらうと、そこには虫のようなものが張りついていた。ダニだろうか。山菜採りで山に入ったときに遭遇したのだろう▼自身の体験だが長らく忘れていた。マダニが媒介する感染症で70代の女性が死亡-。報道番組を見ていて、過去の記憶がよみがえってきた。専門家の話だと国内では近年、マダニがうつす重症熱性血小板減少症候群(SFTS)による死亡者が相次いでいるという▼国立感染症研究所によると、2013年1月に国内で初めて感染例が確認されて以降、患者の報告数は西日本を中心に先月までに約230人に上り、うち約2割の人が亡くなっている。今のところ有効な薬やワクチンはなく、治療は対症的な方法に限られるという▼自分の血をすすっていたあの吸血虫がもしマダニだったら│と想像して身震いした。ダニばかりではない。ジカ熱やデング熱など蚊の運ぶ感染症も怖い。自然の中で過ごすのに絶好の季節を迎えたが、野山を歩く際は警戒を怠りなく。

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