2017年06月04日付

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「習うより慣れろ」というけれど何年、毎日手にしても上達できない。「記者ならそれが仕事じゃないか」とあきれられること覚悟で白状すると、写真撮影が苦手だ▼見た光景がありのままに撮れると思いきや、自動機能に任せてシャッターを切っても人の目に映る色や視線の通りには写らない。画像の色合いは季節ごと、1日のうちでも一分一秒ごとに変わる。限られた時間の中で会心の一瞬を捉えるのは至難の業▼その上、恐ろしいことには、撮影にどれほどの労力を費やしたかや撮った時の気持ち、その人の性格まで作品に表われてしまう。白紙から生み出す絵画や造形と違って、カメラは既に在るものを写すだけ、と甘くみたらとんだ間違いだった▼機器操作の技術、心情の表現、色彩など工夫のしどころが多様で、容易にはゆかない奥深さが愛好者には魅力なのだろう。努力の成果が必ず作品に表われる点も張り合いになる。近ごろはポケットから携帯電話をさっと取り出してパシャリ―と日常的に活用する人が増え、写真撮影は一層身近になった▼故にか撮影の場所や状況をわきまえないマナーの緩さも目に付く。ネット上には世界の絶景から私生活まで写真があふれるが、セキュリティー管理を怠れば、写真から個人が特定されて犯罪被害に遭う危険もある。カメラは撮影者の心を映す鏡、作品は当人の意識以上に多くを語ることもお忘れなく。

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