報道カメラマンの足跡を記す 石川文洋さん

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書斎で執筆中の石川さん

世界55カ国に出向いて取材活動を繰り広げる、報道カメラマン石川文洋さん(79)=諏訪市尾玉町=の足跡を記す「旅する心のつくりかた」が発刊された。出版元のサンポスト(東京都港区)が、石川さんと対談してまとめた「ザ・インタビューズシリーズ」の1冊。ベトナムでは悲惨な戦争の一瞬一瞬を切り取り、四国遍路中に心筋梗塞で倒れるなど、これまでのさまざまな経験を通して平和の尊さ、生きることの素晴らしさを語っている。

時代を切り開いている人物を紹介するシリーズで、歴史小説家童門冬二や作家西村京太郎などに続く7冊目。

石川さんは那覇市に生まれた。1964年26歳の時に毎日映画社を辞め、香港への「無謀な旅」から冒険が始まる。豊かな国アメリカへの永住を夢見た第一歩だった。が、滞在中ベトナムに2回渡ったことが、その後の人生を大きく変えた。

翌年石川さんはベトナムに移住し4年間滞在、日本人では唯一北と南の戦場に行き、寸前の所で命拾いをしながら1万5000枚を撮影。帰国した際に朝日新聞社と縁ができ、15年間勤めた後に、より仕事の幅を広げたいと46歳でフリーになった。

諏訪に住み始めて13年たった2006年、戦争取材中に亡くなった日本人ジャーナリスト沢田教一ら15人の慰霊の旅に出た。四国八十八カ所を巡礼中に心筋梗塞で倒れた。懸命のリハビリで復帰を果たし、今も沖縄が抱える課題を精力的に取材、生涯平和を希求するカメラマンを目指す。

本誌はこうした足跡を8章で構成。石川さんは「振り返れば人生の転機は、人と人の縁で成り立ってきた」と出会った人たちに感謝。これまで数多くの著書はあるが自分が紹介された本は初めてといい、「私の冒険は決して勧められることではないが、こういう生き方をしている人もあることを知ってもらえたら」と話している。

聞き手は岡野明子さん。新書判。208ページ。1500円(本体)。各書店で販売。

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