生命守る垂直避難 伊那市狐島区で訓練

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訓練に向け地図を見ながら打ち合わせをするメンバー

天竜川の左岸に位置する伊那市狐島区の自主防災会は11日、区内の約700世帯に呼び掛けて「水害から生命を守る訓練」を初めて行う。国による天竜川の想定氾濫区域の見直しで、「1000年に1度」規模の豪雨に見舞われた場合、上伊那の川沿いのほぼ全域が浸水する可能性がある―とされた点を踏まえた。建物上階に「垂直避難」する内容。家族や隣近所で、自力で上がれない人や平屋に住む人たちの避難を支援できるかも点検する。

国交省天竜川上流河川事務所(駒ケ根市)は昨年、想定される最大規模の降雨で管内の天竜川が氾濫した場合の浸水の範囲や深さを公表。区によると、2006年7月の豪雨では目立った被害はなかったが、今回の想定では浸水の深さが最大で4メートルに達するとされた。

訓練は11日正午の防災無線を合図に始めるが、「午前0時」の避難指示発令を想定して取り組む。天竜川の増水で区内の河川・水路から水があふれ出したと仮定。夜間はかえって危険な「水平避難」ではなく、建物の2階以上の場所に避難してもらう。

自力で上階に行けない家族がいる世帯には、あらかじめ介添え者を決めておくことを要請。平屋や低地に住む人に対しては、隣接建物を避難先にできるよう所有者と約束を交わすよう求めたという。訓練結果を全世帯に問い、介添え者・協力者の不在で垂直避難ができなかった要支援者も把握したい考えだ。

元県職員で自主防災会の専門部隊長を務める北原正義さん(69)は「国内外で大規模な水害が頻発している。1000年に1度規模の『メガ洪水』ばかりでなく、より頻度の高い中小洪水に対する備えにもなる」と強調。訓練を通して隣近所の助け合いの機運を醸成し、水害に関わらず自然災害時の被害軽減につなげたいと意気込む。

「次年度以降も継続していきたい」と自主防災会会長の北澤健区長(65)。北原さんは「こうした動きが天竜川沿線に広がればうれしい」と話している。

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