文人画家・冬青に迫る みやこ美術で小林勇展

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小林勇展に来場した長女の小松美沙子さん=みやこ美術

旧赤穂村(現駒ケ根市)出身で、岩波書店会長を務め、文人画家・冬青として多くの作品を残した小林勇(1903~81年)の墨彩画を並べた「文人画家 冬青 小林勇展」が28日まで、茅野市のJR茅野駅前ベルビア内の画廊「みやこ美術」で開かれている。身近な花や野菜、交流のあった文人墨客らに関わる作品など、未発表を含む30点を展示している。開催に合わせ、作品を管理する長女小松美沙子さん(79)=東京都=が来場し「絵手紙の愛好者にも見てもらいたい」と話した。

小林は農家に生まれ、17歳で上京し岩波書店に入店。創業者で諏訪市出身の岩波茂雄から、信頼を得た。32年に岩波の次女小百合さんと結婚。岩波文庫、岩波新書の創刊に携わり、岩波記録映画制作所を創設。斉藤茂吉や寺田寅彦ら大勢の作家や芸術家と交流を持ち、数多くの随筆や小説を手掛けた。

絵を始めたのは39歳の夏。小学生の長男の宿題を手伝ったのがきっかけ。文人画を独習し「生涯修業」を続けた。雅号の冬青は、敬愛していた幸田露伴からもらったという。

展示作品は、作家の有吉佐和子さんから贈られた魚「バリコ」、親友の三木清の悲報に心を痛めた「秋果」、終戦後、妻子のいる郷里に身を寄せて描いた「葡萄と洋梨」など。そのときどきの思いを込めた讃(漢詩など)が添えてあり、情景が思い浮かぶ。小林が、海外で暮らしていた美沙子さんに送った絵手紙を収録した著書「懐遠」も並ぶ。

同画廊では「なかなか披露する機会が無く県外からのお客様もいる。地元の人にもぜひ足を運んでもらいたい」としている。入場無料。午前10時~午後7時。木曜休み。

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