2016年3月28日付

LINEで送る
Pocket

美和ダムの恩恵が下流域に認識されていないのではないか―。伊那市長谷の美和ダムが本体着工から4月で60年を迎える。60周年記念資料「水と人の詩 三峰川と歩む長谷の60年」(作成実行委員会)が発刊され、記念座談会が開かれた▼ダム建設により田畑を失い、離村者を出しながらも成し遂げられた一大事業だった。座談会の地元出席者からは冒頭の思いがにじみ出た▼旧長谷村が伊那市と合併した10年前に刊行された閉村記念誌によると美和ダムによる治水効果は1億3228万円、農業効果は年間1000トンの増産、2512ヘクタールのかんがい、発電効果は美和、春近両発電所合わせて1億8156万2000キロワット。一方、ダム建設による離村は105戸だった▼ダムを地元活性化のために活用していこう│という座談会では「ダム周辺の景観を観光資源に」「水力発電など長谷をエコタウンに」「ダム建設の賛否をめぐる対立や移住しなければならず人口減少につながったことなどを『美和ダム物語』として作って学校教育に役立ててほしい」などさまざまな案が出された▼3月31日で同市合併10周年を迎える。ダムの恩恵を受ける下流域住民が、同じ市内の活性化に知恵を寄せる契機になれば。座談会終了後、長谷で本格着手してない戸草ダムについて「なんとかしてほしい」の声も出た。戸草ダム建設による移住者がいたことも忘れてはならない。

おすすめ情報

PAGE TOP