2017年06月10日付

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「あなたが生まれてきて本当に良かった」と伝えてください―。5月末に諏訪市内で開かれた諏訪地区PTA指導者研修会で、講師の小玉宏さんは呼び掛けた▼宮崎県で中学校教員をしていた時のエピソードを語った。親に愛されていないと感じていた「札付きの悪」に相談され、両親への感謝の言葉を付箋に書いて貼っておけば、両親がどう思っているか分かるとアドバイスしたところ、実行した彼は、付箋を見た母親が泣き崩れ、父親も涙を拭う姿を目にし、自分がいかに愛されているか知ったという▼諏訪市の旅館「湖泉荘」では、さまざまな人に思いを筆文字で伝える「伝筆」を13日まで飾っている。「生まれてきてくれてありがとう」のテーマで、市内や首都圏の幅広い年代の人が「あかるい笑顔」「みんな仲よしありがとう」「希」などを個性豊かに表現。元気を届けたいと、全国キャラバンの一環だ▼身近な人に対するほど、感謝の気持ちを普段から告げるのは難しい。自身、気恥ずかしかったり、「してもらって当然」「言わなくても分かっているはず」の思いがあったりしてままならない▼警察庁によると、昨年の全国の自殺者数は2万2000人近くに上る。減少傾向というが、これだけの人が自ら命を絶つほど追い詰められている現状。お互いに掛け替えのない存在であることを日ごろから伝え合うことで、救える命があるかもしれない。

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