入笠山の釜無ホテイアツモリソウ 花数増える

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富士見町と伊那市にまたがる入笠山に自生の希少植物「釜無ホテイアツモリソウ」の今年の花数が、昨年よりほぼ倍増して55個となった。町と有識者、企業などでつくる町アツモリソウ再生会議が、絶滅寸前から保護活動を始めて12年。順調に株と花数を増やして今年、最多の花数を一気に伸ばした。同会は「一帯の間伐による日照の調整や、鹿の食害防除の効果が出てきた」と喜んでいる。

釜無ホテイアツモリソウはラン科の多年草で、アツモリソウの中でも入笠山一帯にのみ自生する固有種。花色が濃く、大ぶりなのが特徴とされる。釜無ホテイアツモリソウを含むアツモリソウは、一つの花に約5万粒の種をつけるが、自然界で育つのはごくわずかなうえに、開花までには6~7年かかるといわれる。環境省が絶滅危惧種II類に指定、一般の採取も禁止している。

入笠山の自生地では、保護を始める以前は4株しか確認できず、自然結実は不可能とみられた。2006年に再生会議を立ち上げ、環境整備と盗掘防止に取り組んできた。

今月4、16日に行った定例の監視、保護作業では67株に55個の花芽を確認し、うち44個がすでに開花していた。4年前の花数は16個、昨年は30個で、今年は一気に増えた。

同会議事務局の平林啓作さんによると、「この2、3年で花数だけでなく、花芽の長さ、花の大きさも2倍ほどに肥育した。ひと株につく花の数も各段に増えている」といい、「実生株の成長を大切に見守りたい」としている。

再生会議では人の手による増殖にも取り組んでおり、現在、入笠山麓の富士見パノラマリゾート内にある山野草公園と隣接の実験園で開花。一般客に公開している。

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