2017年06月22日付

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女性の15人に1人―。内閣府の調べで、性暴力を受けた経験のある人の割合だ。当事者にとってはいわれのない災難で、その心情を思うといたたまれない。改めて数字を突きつけられると、その深刻さを痛感せざるを得ない▼調べでは、全体の75%の加害者が被害者の顔見知りで、全く知らない人は1割程度。加害者の多くは交際相手や元交際相手、配偶者や元配偶者という。さらには、被害者の約7割が誰にも相談できずにいるという▼被害者にとっての被害は、これだけにはとどまらない。万が一、第三者に知られることになった場合、心身の傷が癒やされるどころか、逆に「(被害者に)原因があったのではないか」や「逃げなかったのか」など、責めを受けるケースも少なくないからだ▼かつてこれに似た状況に立ち会った。幸いにも”未遂”に終わったものの、後日、加害側の関係者が「誰かが(加害者を)おとしめようとしているのではないか」と彼女を責め立てたのだ。結果的に「二重の被害」を受けたことになる。人ごととは思えぬ怒りがこみ上げてきたものだ▼性犯罪の厳罰化を柱とする改正刑法が成立し、7月13日には施行される。これまで加害側優位だった法律が少し前進した。だが、どんなに言葉で律しても、気持ちがなければ法律も文字の羅列に過ぎない。人(女性)は物ではない―。個々の尊厳が今改めて見直されようとしている。

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