2017年06月30日付

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東海道新幹線で東京方面に向かう。新富士駅(静岡県)が近づくと、車窓左手に富士山が見えてくる。裾野までくっきりと美しい姿に、思わずスマートフォンのカメラを向ける。そしたら、あちこちで「カシャ」「パシャ」とシャッター音…。休日の新幹線車内ではこんな光景が見られるそうだ▼気軽に写真撮影できるスマホならではだ。いまだについ「携帯電話」と呼んでしまうが、電話やカメラが付いた小型コンピューターである。登場から10年足らずで、こんなに社会や個人の生活を変えた道具は歴史上まれだろう▼スマホの特徴は「ドキュメント性」だと、岡本裕一朗・玉川大教授が時事通信の記事で紹介している。ドキュメントとは記録性を意味する。カメラで料理を撮る、旅行で自撮りする、ネットのニュースを見る、メールを交換する。みんな画像や文字を使った記録である▼元はイタリアの哲学者フェラーリスが唱えた概念だそうだ。岡本教授は、「(スマホで記録した)日常生活の何気ない風景も、歴史的な出来事の一コマである」とする。富士山の写真もやがて歴史的な記録性を持つかもしれない▼スマホやネットは中東や北アフリカで「ツイッター革命」と呼ばれるほどの影響力を持った。善悪はともかく、時に恐ろしいほどの力を持つ。便利に使いこなしているつもりが、実は自分がスマホに支配されていた、とならないよう自戒したい。

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