松くい虫被害木を資源化 県が活用補助新設

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松くい虫被害区域図

長野県内のアカマツで拡大が懸念される松くい虫被害の対策について、県は今年度、予防、薬剤散布など従来の対策に加えて、被害木を資源とみなした木質バイオマスエネルギー活用に対する補助事業を新設する。県林務部では「ここ10年で急激に拡大し、従来の対策では対応しきれない状況になっている」と危機感を強めている。

県内の松くい虫被害は、1981年に当時の木曽郡山口村(現岐阜県中津川市)で確認された以降、長野市、飯田市、上田市と見つかり、大まかに南と北から、中部に向かって広がっている。県の昨年末のまとめだと、南信では辰野町を除く上伊那7市町村が被害先端地域とされ、同町と諏訪6市町村は未被害地域になっている。

辰野町では昨年、初めて被害が確認されたが、拡大は未然に防がれた。諏訪地方でも「5年、10年のスパンでみると、諏訪へ拡大してもおかしくない状況」(同部)。近年の地球温暖化により、被害帯が高度を上げており、高冷地への広がりも見せ始めているという。

今回の新規事業は、里山の松くい虫被害林のための支援として「信州の木活用モデル地域支援事業(森林づくり県民税活用事業)」を拡充して行われる。放置されている松くい虫被害木を資源として活用するのが狙い。森林の景観や機能の保全のためにも、被害地の早期再生を図る。

支援事業の概要は、市町村や公共的な組織を対象に、利用計画に基づき被害に遭ったアカマツの伐採やチップ化、熱源としての利用を補助するもの。事業費500万円が見込まれる。7月下旬をめどに募集を始め、9月以降に事業着手する。

同部では「被害拡大を防ぐには、山林所有者や地域が関心を持つことも大切。地域が一体となって取り組むモデル事業として実施し、今後に向けた検討を進めたい」としている。

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