2017年07月05日付

LINEで送る
Pocket

全国各地で発生している特殊詐欺の被害額は、窃盗より巨額だという。警察庁によると、2016年の認知件数は約1万4000件、被害額は406億円余。1日約1億1000万円が犯罪者に渡っている▼改めて耳にすると、とんでもない数字である。先日、金高雅仁前警察庁長官から聴いた講演で知った。警察関係者の家族でさえも、特殊詐欺の被害に遭ったり、だまされそうになったりした人もいるという▼年老いた母親に架空警察署の警察官を名乗る人物から電話が入り「お宅の息子さんが交通事故で人をはねて3歳児が生死をさまよっている」と告げられた。示談金を払えば、逮捕されないとし、弁護士役なども代わる代わるに登場。息子と思われる人物が、泣きじゃくっている声を聞いてうそを信じてしまったという▼「二十歳過ぎた息子の泣き声など知らないから、パニックになってしまった」と解説した。成人男性が泣きじゃくる姿は身内であってもまず見る機会はない。警察組織のトップだった金高氏の話だけに、妙に納得してしまった。どこでも誰でも被害に遭う可能性がある▼金高氏は、警察への信頼がない国では国民は被害届を出さず、事件を把握できなければ対策もない、と指摘。国民の警察への信頼を維持するためにも「検挙率を向上させないとならない」と強調した。被害抑止のために合言葉の設定など、もう一度家族で徹底を。

おすすめ情報

PAGE TOP