宮坂陽蕙さんが書額寄贈 岡谷蚕糸博物館に

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「きぬのひろば」に飾られた作品を見る宮坂さん=岡谷蚕糸博物館

読売書法会評議員などを務める書家の宮坂陽蕙さん(74)=岡谷市大栄町=が4日、歌人の太田水穂(1876~1955年)が岡谷の製糸業を詠んだ1首を揮毫した書額を、同市の岡谷蚕糸博物館(髙林千幸館長)に寄贈した。6月初めに市内で開いた「作家6人展(もゆる展)」に出品した作品。会場で作品を見た知人の勧めで寄贈が実現した。

水穂の歌は、「天龍の雪解の水をくみ入れて 春蚕の繭を挽きそむるらむ」。天竜川から水車で水を引く製糸工場の様子を詠んだ歌で、春蚕の表現から、「明治終わりから大正の製糸岡谷全盛期のちょうど今頃の季節の歌」(髙林館長)とみられる。

宮坂さんは水穂の歌集を読んでこの歌に出会い、「季節的にもちょうどいい」ともゆる展のために作品にしたという。横1・8メートル、縦80センチの大作で、歌の前に甲骨文字で「絹」と揮毫し、歌は調和体で記した。

同展で作品を見た知人の水岸正子さん(73)=同市山下町=が、「大きな作品は展示会が終わると家の中にしまってしまう。全国から大勢の見学者が訪れ、岡谷の顔になっている博物館に飾ってもらうのにぴったりの作品」と、義理のいとこで髙林館長と知り合いだった工務店「やすら樹」の岩垂敏樹社長(57)に相談、寄贈が実現した。作品を見た髙林館長は「宮坂さんは家が近くで子どものころから存じ上げているが、作品はやさしい人というイメージと違う、心のたくましさを感じた」という。

同館では、広く市民に見てもらうため作品を「きぬのひろば」に設置。飾られた作品を見た宮坂さんは、「自分で見ると気に入らない部分ばかりに目がいってしまうが、こうやって大勢の人に見てもらえる場所に飾っていただきありがたい」と笑顔を見せた。

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