登山ルート再整備 中ア南部岳人ネットが発足

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高山性の植物に覆われて歩くことができない中央アルプス念丈岳(2291メートル)―南越百山(2569メートル)間の登山道再整備を目的とした民間団体「中央アルプス南部岳人ネットワーク」が発足した。今月12日から整備作業に着手し、3年先のルート再開を目指す。中アの南側玄関口を整備することにより、飯島町などを発着点とする縦走ルートが復活するほか、登山者の利便性や遭難時の救助ルートが充実することになる。

今年整備するのは、念丈岳―奥念丈岳(2303メートル)間の約1・36キロ。来年からは奥念丈岳―南越百山(2569メートル)の約4キロ間に着手する見込みで、ルート整備後には一部道標も設置する。

飯島町南端からの中ア登山は、同町七久保を起点とする登山道を利用し、途中で松川町の小八郎岳を経由する登山道と合流後、かつては烏帽子岳(2194メートル)―池ノ平山(2327メートル)―念丈岳―奥念丈岳―南越百山を抜けるルートがあったが、道は登山者の通行減少などでクマザサやスズに覆われ、現在は念丈岳からのUターンを余儀なくされている。一方、北側の空木岳(2864メートル)方面から尾根沿いに南下した場合、今は越百山から木曽谷へ下るルートしかない。

整備は松川町で昨夏実施した町民登山の折、登山者から不通区間の復活を望む声が上がったのがきっかけだ。地元登山者が発起人会を設けた上で、ルート上の関係自治体となる飯島町に声を掛け、登山道整備を打診していた。

同ネットワークは伊那谷各地の山岳会員ら41人で構成。2日夜には飯島町文化館で発足式を開き、会長に松川町の福沢勝好さん(71)を選んだ。整備範囲は県立公園に指定されているため、同会には飯島、松川両町職員が加わり、県との間で作業許可などの調整を行う。

このほか、会の顧問として県山岳協会の唐木真澄会長、中ア遭対協救助隊の竹上静男隊長、県警山岳救助隊の中島豊元隊長も名を連ねている。12日からの整備作業ではエンジン付き草刈り機3台を現地へ荷揚げし、念丈岳から北西方向へ伸びるルート入口付近の草を刈り始める。

同会の福沢会長は「ルートは登山安全上のエスケープルートとしても活用できる。県立公園内の整備であり、自然には充分配慮して作業したい」と述べた。県山岳協会の唐木会長(73)=伊那市=は「事前の確認でも現況では整備計画の範囲を歩くことができなかった。ルートが再開すれば遭難者救助にも役立つ。民間のボランティア団体が整備に当たることに敬意を表したい」と話していた。

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