資源回復への道 ワカサギ大量死1年-2

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諏訪湖でのワカサギ釣り。釣果は釣り客の入に直結する

ワカサギの採卵事業は諏訪湖漁業協同組合の収益の柱。2010年から活卵と死卵に分類し、活卵のみを販売する独自の商品化を進めてきた。昨年度は追加注文を含めると15億5000粒を出荷。ワカサギ卵は毎年、全国の120カ所以上の湖沼に出荷しており、各地の湖のレジャーなどを支えている。この卵の出荷が今春はゼロで自湖放流分は他湖沼に頼った。

諏訪湖から毎年、卵を仕入れているという県内のある湖沼漁協によると、今年も諏訪湖産を発注したが、入荷できないことが決まり、急きょ別のルートから卵を買い付けて必要量を確保した。関係者は「一時はどうしようかと思ったが、無事に確保できて良かった」と振り返った。自然相手の採卵事業は出荷量の浮き沈みがあるため、卵の入手先は複数用意し、リスクに備えている。「諏訪湖産には毎年期待しているが、入荷できない状況が続くようだと、今後の対応を検討していく必要がある」と語った。

諏訪湖でもワカサギ釣りは観光資源として貴重だ。諏訪湖の釣りシーズンは10~3月。釣り船を経営する湖周の7業者でつくる諏訪湖釣舟組合(中澤滋組合長)によると、例年全体で5万人ほどを受け入れるが、昨シーズンは10分の1ほどに激減した。中澤組合長(57)=岡谷市湊=は「本当にきつかった」と振り返った。

ワカサギ釣りで愛好者の心をつかむのは「正確な釣果」。中澤組合長が経営する民宿みなとでは、ホームページを通じて情報発信しており、釣果が上がれば釣り客は集まるし、下がれば来ない。12月まではまずまずだったが、年明けから釣果が下がり、釣り客は減った。「大量死のようなことが今年も起きて2年連続でワカサギが釣れないということになれば、イメージ悪化にも直結する。夏を向かえ、本当に不安の毎日」とこぼした。

諏訪川魚組合の平出良作組合長(79)=諏訪市四賀=もワカサギの不漁に懸念を示す。「『諏訪湖のワカサギ』は大きなブランド。『ワカサギという魚』は仕入れようと思えばどこからでも仕入れることができるが、諏訪に来たお客さんは『諏訪湖のワカサギ』を求める。『諏訪湖では魚が獲れない』ようなイメージが広がれば、人気も落ちてしまいかねない」と述べた。

諏訪湖のワカサギは諏訪圏内外の多くの人々の生活を支えている。

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