2017年07月15日付

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東ティモールは21世紀最初の独立国だ。数年前、この小さな島国の激動の歴史を描いたドキュメンタリー映画「カンタ!ティモール」の上映会に足を運び、撮影した広田奈津子監督の講演を聞いた。一番印象に残ったのはその国民性だ▼2002年に念願の独立を果たすまで、何百年にわたる植民地支配、戦争、侵略と過酷な運命をたどった東ティモール。そこの民は癒えることのない傷を抱えながら、大地への感謝を忘れず、笑い合い、許し合って生きている―。広田さんは講演でそう語っていた▼伊那市では、同市高遠町出身の元・駐東ティモール特命全権大使、北原巖男さん(69)=東京都在住=が取り持つ縁で、高遠中学校を中心に同国と交流している。10年には同国の高校生らが同校を訪れ、お互いの暮らしや文化を紹介し合うなど、親善を深めている▼20年の東京五輪・パラリンピックで参加国との交流事業を担う政府の「ホストタウン」構想で、伊那市が東ティモールのホストタウンに登録された。事前合宿の誘致も目指しており、同国をより多くの人に知ってもらうための交流イベントなどを行う予定だという▼「東ティモールの国民は穏やかで友好的」。12年に同国での国際マラソン大会に出場した経験のある北原崇志さん=同市=は弊紙の取材にそう答えている。「交流やスポーツ振興に弾みがつく」。関係者の期待も大きく膨らんでいる。

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