信州の木自給圏構築事業 地域林業の方向性探る

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県は、県内の林業振興を目的に昨年度から取り組む「信州の木自給圏」構築事業で今年度、諏訪を含んだ伊那谷流域を対象に、生産、加工、消費までの地域林業の総合的な現状と課題の協議に着手している。年内には課題解決のための取り組み方針をまとめ、最終的に県全体の施策提言に反映させる。

現状と課題の分析から、将来の林業の可能性を探り施策に結び付けようという事業。県内を5流域(木曽谷、千曲川上・下流、伊那谷など)に分け、それぞれの地域性に合わせた今後の方向性を協議。昨年度は木曽谷など2流域で行い、今年度から、伊那谷などほか3流域で協議が始まった。

伊那谷流域の特徴は、諏訪、上伊那、下伊那で地域性があることだ。主な樹種が違い、諏訪はカラマツが中心、上伊那はほかにアカマツ、下伊那はスギやヒノキがある。諏訪には上伊那、下伊那に比べて、製材、加工施設が乏しい。

これまでの協議では、「地域が求める木材を地元地域で供給するには、消費者側の需要を生産側までつないでいく仕組みが必要」といった指摘が出ている。従来も関係者同士の連携は課題に挙がっていたが、今回の事業をきっかけにして、具体的な意見交換が始まったことになる。

県信州の木活用課によると、伊那谷流域は県内5流域の中でも森林資源の潜在的な能力は最も高いが、それに比べて生産量は少ない。2015年度の国有林と民有林を合わせた生産量(推計値)は10万4000立方メートル。諏訪、上伊那、下伊那でそれぞれ3万立方メートル余りずつ。一方で、年間に伐採可能量は、その4倍余りの47万6000立方メートルと算出している。

県内の木材の生産量は03年度の24万5000立方メートルを底に増加傾向にある。15年度は木質バイオマス利用も含め50万1000立方メートルに。背景は合板材の外国産材から国産材へのシフト。同年度も3分の1ほどが合板用材に生産されており、県産カラマツの需要拡大につながっている。

ただし合板加工は県外施設で行われており、地域での加工、消費につながる新たな需要の開拓や県産材の積極的な情報発信が求められている。

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