2017年07月25日付

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仕事でまちなかを歩いていると、あの香ばしいにおいが鼻をくすぐってきた。きょうの「土用の丑の日」に合わせた注文が相次いでいるのだろう。通り掛った飲食店の換気扇からはウナギを焼く煙が勢い良く吹き出していた▼南信では岡谷市が「うなぎのまち」として名高い。全国有数といわれる市民の消費量に加え、近年は週末になると市外からも多くの人が訪れて人気店には行列ができるなど、地域の食文化として定着している▼諸説あるようだが、土用の丑の日にうなぎを食べる習慣を仕掛けたのは、摩擦式起電器「エレキテル」や寒暖計の発明で有名な江戸中期の博物学者、平賀源内とされる。日本初のコピーライターとも言われ、暑さによる売り上げ不振を嘆くうなぎ屋に「今日は土用の丑の日」と張り紙を出したところ、たちまち繁盛したとの逸話が残る▼夏ばて防止のため、丑の日には古くから「う」のつくものが食べられていたという。消化吸収に優れるうどんや、疲労回復を助けるクエン酸を豊富に含む梅干し、体を冷やす効果がある瓜(キュウリ)など。源内の張り紙はこうした食習慣に目を付けたとされるが、先人の知恵には改めて感心させられる▼梅雨も明け、これから夏本番。近年は酷暑が当たり前のようになり、疲労の蓄積による夏ばてや熱中症の危険性はより高まる。季節の味を上手に取り入れて、厳しい夏を乗り切りたい。

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