「夏の小津会」が開幕 蓼科の無藝荘

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無藝荘で始まった「蓼科・夏の小津会」。小津監督が蓼科に残した生活と仕事を語る(奥右から)山内さん、長井さん

日本映画界の巨匠、小津安二郎監督(1903~63年)が晩年に脚本執筆の場とした茅野市蓼科で開く「蓼科・夏の小津会」が28日、蓼科にある小津安二郎記念館「無藝荘」で始まった。9月16~24日に開く「第20回小津安二郎記念・蓼科高原映画祭」の先行企画。小津監督ゆかりの人々や映画ファンが国内外から集まり、蓼科に残る小津監督の生活と仕事に思いをはせる。30日まで。

小津会は、小津組プロデューサーの山内静夫さんと小津監督のおいの長井秀行さんの対談で開幕。続いて、撮影助手を務めた兼松熈太郎監督と日本映画研究者の宮本明子さんが小津映画の絵コンテや撮影現場を解説し、俳優笠智衆の長女川西成子さんが父と過ごした蓼科の思い出を語った。夜には、懇親会や小津作品「彼岸花」(1958年)の上映もあった。

山内さん、長井さんの対談は約50人が聞いた。映画祭最高顧問も務める山内さん(92)は「小津安二郎という人は都会派で銀座が一番好きだった。山の中で暮らすのは好きじゃないが、この土地の人の持つ温かさが大好きだった」と語り、「小津を記念する映画祭として21年目も頑張って」と激励した。「東京物語」(53年)と同じ年に生まれたと話す若菜弘充さん(64)=東京都=は「映画や本では知り得ない話を聞けて楽しい」と目を細めた。

語り部として無藝荘で火代番を務める柳澤徳一さん(83)=同市湯川=は「世界中の人が今も小津監督の作品を見ている。たいした人」と感心。開会式で小津監督のめいの小津亜紀子さん(67)=千葉県野田市=があいさつし、「皆さんで映画祭の成人式を祝っていただけたら」と願っていた。

夏の小津会は2012年にスタート。今年は映画祭の節目に合わせて28、29日に計7本の対談や講演会を企画。30日は午前9時30分に無藝荘に集合し、小津、野田両氏が作品の構想を練った「小津の散歩道」をガイド付きで歩く。参加費は講演が500円、「散歩道」は無料。

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