2017年08月01日付

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「出払い」「道づくり」と地域によって呼び方は違うが地元の公共の場の掃除や草刈りを住民皆でするのは、地方の年中行事。この作業をめぐって、移住者と地元民の間でちょっと問題が起きている▼都会からのある移住者は、「沿道の草刈りは行政の仕事。何もしてくれず、サービスの悪さにストレスが溜まる」と怒る。かたや地元住民は、「よそから移り住んだ人が地区の作業に全く協力してくれない」とため息をつく▼潤沢な税収入がある大都市圏では行政が担える仕事も地方では難しい。昔からの習いで住民の意識の中に、地域のことは自分たちで、という自立心もある。双方の”常識”が違うのだから折り合いがつかない。その地に住むことと、地域に生きることは違うのだと移住者、地元民それぞれに痛感している▼トラブルの種となりがちな作業にも良さがある、と地域の人たちは言う。力を合わせる喜びを味わい、互いの人柄を垣間見る機会でもある。例えば、当日参加できないからと、前日に一人で作業をする気配り。足場が悪い難所ばかりをあえて選んで働く思いやり。日ごろの会話は少なくても、その人の行いが信頼を育む▼今日は下諏訪町のお舟祭り、富士見町の町長選告示の日。地域のために奉仕し、ともに汗をかく中で生まれる信頼感が大切-という点では、移住定住はもちろん、祭りも政も「出払い」に通ずるところがある。

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