2017年08月08日付

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おとといの朝8時15分。今年も黙とうを呼び掛けるサイレンが防災無線などから響いた。72回目の原爆の日。諏訪や上伊那でも各地で平和集会や灯ろう流しなどが行われた▼駒ケ根市は今年も、広島平和記念式典に6人の中学生を派遣した。出発前の結団式で東中の飯島唯さんは、戦後70年を機に原爆や戦争に関心を持ち、本などで「信じられない事実」に触れ、「戦争は繰り返してはいけない」との思いを強くしたと話してくれた。式典での平和の鐘の音は、中学生たちにどう響いただろうか▼近所の小さな女の子の手を引き夢中で逃げ回るうち、急に手が軽くなった。見ると彼女が焼夷弾を直接受け、腕しか残っていなかった。恐ろしくなって腕を捨てて逃げてしまった。なぜあの子を弔ってやれなかったのか、今も悔いてます―。俳優の仲代達矢さんが反戦の訴えとともに話した自身の体験談だ▼1945年5月25日の「山の手空襲」。東京・渋谷に暮らしていた仲代さんは当時12歳。強烈な体験は今でも悪夢となり蘇るという。これまであまり話さなかったが、戦争体験の風化に危機感を覚え、「信じられない事実」を語ることで警鐘を鳴らしている▼広島と長崎の原爆投下日を正しく答えられない人が約7割に達したという調査結果が、数年前に報じられた。戦争の記憶の継承は大きな課題と改めて考えさせられる。明日はもう一つの原爆の日である。

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