2016年4月3日付

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「種団子」と呼ぶらしい。駒ケ根市内の小学校で見たのはピンポン球ぐらいの大きさだった。土を丸めた団子で、職員室と植え込みの間の砂利の上に置かれていた。毎日水をやっている教頭先生は「何が出てくるんだろう」と興味ありげだった▼小学校の通学区域内にある保育園の卒園式に来賓として出席した際、もらってきた種団子だという。作ったのは4月に新1年生として入学してくる卒園児たち。卒園を前に、自分の親に贈る分と卒園式に招く来賓向けに一人で2個ずつ、小さな手でにぎった。中には開花の季節が少しずつ違う4種類の種が入っているそうだ▼大地に蒔かれた小さな種が確かな根を張り続けてほしい、との想いと共に―。同封されていたカードには、そんなメッセージが添えられていた。屋外の雨のあたる場所に置けば、種が自ら時を選んで発芽してくるとも記されていた▼この保育園の種団子のプレゼントは2年目で、去年も卒園児の家庭や園庭で花を咲かせ、喜ばれたという。「子どもと一緒で、種は芽を出したいときに芽を出します。子どもは自分たちが伸びていきたいときに伸びていくものですよ」。保育士たちの思いを聞けば、子どもたちを温かく見守る気持ちが芽生えそうだ▼発芽の3条件は水、酸素、温度だといわれる。水をたっぷりもらった種団子は、その時を待っているのかもしれない。入学式はもうすぐになった。

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