県信濃美術館全面改装へ 「周辺風景と一体化」

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県は、1966(昭和41)年に開館し、老朽化が進む県信濃美術館で、本館(管理棟、展示棟)の全面改築による整備事業を2021年春オープンをめどに進めている。同館にとっては、これが2度目の再出発。コンセプトの中に「周辺の風景との一体化」を掲げて近くの善光寺や自然、山並みとの調和も考慮するなど、新たな美術館を目指す。

半世紀前の66年10月の開館には、原村出身の彫刻家清水多嘉示(1897~1981年)も日本芸術院会員として役員会の参与で関わっており、同館は諏訪地域との縁も浅くない。

美術館入り口近くには、屋外展示で清水のブロンズ像「躍進」が建ち、来館者を出迎えている。

当初、美術館は多くの民間からの寄付を基に財団法人が設立されて建設された。県内にも美術振興の拠点を、という美術愛好者らの熱意を背景に建てられた特別な施設。「躍進」はその「記念像」として建立され、現在、同館が登録する約4000点の収蔵品の「登録番号1」の作品として位置付けられている。

ただ財団法人による運営は2年余りで、69年6月には県へ移管された。当時は収蔵庫もなく、十分な収蔵品もない中での再出発だった。

今回の改築に向けては、隣接の城山公園と一体的に改修する計画で、城山公園を挟んだ善光寺までの空間に連続性を持たせるのが大きな特徴。将来性ある芸術家の作品も収集し、「進化・成長する美術館」を目指す。

美術館の初期に関わった清水は、「生命の躍動」を追求し、指導する学生には「人間を幸福にするようなものを作りなさい」と話したという。2度目の再出発には、「訪れた人を幸福にする美術館」としての魅力も求められる。

事業費は100億円を見込む。建物の外観など基本設計は年内に示される予定。2018年9月に実施設計が終了予定で、着工は同年度末の見通し。整備事業のため10月1日から休館する。

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