2017年08月23日付

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果樹栽培が盛んな上伊那地方南部で、リンゴ「つがる」の出荷が始まったそうだ。わせ品種の代表格で、たっぷりの果汁とバランスのとれた味が特長だ。これを味わうと、リンゴの本格的な季節到来を予感する▼言うまでもなく、リンゴは信州を代表する農産物である。昨年の生産量は約14万2000トンで、都道府県別で青森に次いで全国2位。県内の果樹作付け面積の半分以上を占める。日照時間が長く、昼夜の温度差が大きい気象を生かして質の高い果実を栽培する▼ただ、生産推移を見ると、楽観できない数字が並ぶ。10年前の生産量は17万7700トンで、さらに10年をさかのぼると20万トン規模だった。生産者の高齢化などを原因に緩やかな減少傾向が続く。若者を中心に「皮がむくのが面倒」「生ごみが出る」などと果物離れの消費動向も背景にある▼食物繊維やカリウム、ポリフェノール。「1日1個のリンゴは医者を遠ざける」と英国のことわざにあるように、健康に役立つとされる栄養成分を豊富に含む果実だ。「すりおろしリンゴは風邪に効く」などは、昔からの言い伝えとして今も残る▼これから晩秋にかけて、味の違う多様な品種が代わる代わる出回り、食の楽しさを提供してくれる。生で味わう食べ方が一般的だけれど、煮て食べるのも味わい深いし、また、菓子作りにも使える。地元の力強い消費こそ、生産者への大きな応援になる。

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