2017年08月27日付

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「温かい心を持つ企業を人は信用し、応援し、たくさんお金が集まるようになる。温かさは21世紀の資本主義の武器になる」。数年前、諏訪中央病院(茅野市)名誉院長鎌田實さんが語っていた印象深い言葉を、最近になって思い出した▼鎌田さんが著した「あってよかった!応援したい ニッポンを幸せにする会社」(集英社)の取材にうかがい、読者に伝えたい思いとして力説していた一言だ。経営者としての顔も持つ鎌田さんの眼力で選んだ「明日が楽しみな会社」を自ら取材し、紹介している▼東日本大震災の被災地の復興に尽力する企業もあれば、雇用を守りながら業績を伸ばしている会社もある。社員全員が20年以上、有給休暇を100%消化している北海道の菓子メーカー社長は本書で、「社員は学歴より精神健康度が大切」と経営理念を語っている▼経済が成長している時代には、自分の健康や家庭も顧みずひたすらに働くことが美徳でもあっただろう。「モーレツ社員」や「企業戦士」という言葉も生まれた。いまは働き方の中身が問われている。長時間労働による「過労」が原因で亡くなる人も後を絶たない▼「働き方改革」は時代の要請だろうか。政府は秋の臨時国会に、長時間労働是正などを目指し働き方改革関連法案を提出する方針だという。人に優しい企業が成長する-。鎌田さんの言う「温かな資本主義」が広がってほしいと願う。

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