2017年08月28日付

LINEで送る
Pocket

体を横たえた状態でほぼ完全な形で見つかった縄文時代の仮面土偶は、その優れた造形が関係者を驚かせた。2000年8月下旬の茅野市湖東の中ッ原遺跡。現地での説明会は長い列ができ、多くの人の太古への興味をかき立てた▼高さ34センチと大型で、逆三角形の仮面をかぶったような顔、細かな文様、どっしりとした脚。素人の目から見ても形の素晴らしさを感じた。発掘作業員として最初に発見した女性の驚きと感動はさぞ大きかったことだろう▼土偶は「仮面の女神」と愛称が付けられ、06年に国重要文化財、14年に国宝に指定された。出土日の8月23日に合わせて、今月26日には「誕生日パーティー」が行われた。こういった土偶や土器を生み出した縄文人の発想の根源はどのようなものだったのか▼芸術家の岡本太郎さんは、日々の糧を狩猟で獲得する生活が土台にあると指摘する。「あらゆる神秘や超自然のドラマが平気で、そしてゆたかに生活にはいりこんでいる。(中略)目的だとか意味なんて、まったく汲みとれないほどたくましく、平気でやってのけているのです」(岡本太郎著「日本の伝統」)▼茅野市では八ケ岳JOMONライフフェスティバルが9月9日に開幕し、山麓で栄えた縄文文化を発信する。土器の野焼きや踊りといった体験イベントから講演会、ライブまで盛りだくさんのようだ。思い思いに縄文の世界に親しみたい。

おすすめ情報

PAGE TOP