2017年09月03日付

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県希少野生動植物保護監視員の小口泰人さんが、中川村でブッポウソウを確認したのは1990年。ここから始まった保護活動と巣箱かけだった。県天然記念物で絶滅危惧種の渡り鳥の繁殖地は周辺に広がり、同村を含む上伊那南部地域では今季、23つがいの営巣が確認されている▼大木や古木が減り、営巣場所を失ったことが数を減らした理由の一つとされる。それを裏付けるように、小口さんが同村で最初に見つけた営巣場所は人工構造物の隙間だった▼「ブッポウソウだけが大事な命ではないが、人間の都合ですめなくしてしまった以上、人間の手で元に戻していく責任がある」。こう話す小口さんは、ブッポウソウを増やすだけでなく、自然の中で営巣できる里山の環境づくりを訴え、繁殖地を山に誘導していこうと考えている▼山にかえすことができるようになるまでの繁殖の場所として、人工構造物などに巣箱をかけて四半世紀。活動を担う人材やグループも地域に育ち、成果は営巣数となって表れている▼同村で保護活動を行う団体によると、今季は、営巣を始めながら途中で巣を放棄したつがいがあった。営巣場所は県道の人工構造物で、毎年繁殖が確認されていた場所だった。もちろん自然界には外敵はいくらでもいる。警戒心が強いだけに何かを察知したのだろう。原因は気になるが、より山に近い巣箱へ引っ越してくれたものと思いたい。

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