2017年09月06日付

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夏の終わりに訪れた下諏訪町郊外の八島湿原で、「自然との出合いは一期一会」という言葉を聞いた。咲いている花も、空を飛ぶ鳥も、吹き抜ける風も、その日その場限りで、いつも変化している。人生で二度とない瞬間という意味だそうだ▼一期一会と言えば、古本との出合いも同じなのかもしれない。立ち寄ったまちなかの古書店で、休日を利用したリサイクル本のイベントで。状況の違いこそあれ、共通するのは新刊を扱う書店にはない本がそろい、思わぬものが見つかることだろう▼手に取って1冊1冊を開いて見る時間がまた面白い。ページの隅に書き込みがあったり、しおり代わりに入れたチケットなどの紙片が出てきたりする。以前の所有者の思いや生活がうかがえる。本の内容と相まって、読書の楽しみが広がる▼茅野市で先週末、市内の中高生有志でつくる「ぼくらの未来プロジェクト」が、「古本カフェ」と題したイベントを開いた。市民らから提供を受けた約3400冊を並べ、訪れた人たちに持ち帰ってもらったほか、菓子や飲み物を用意したカフェを設け、ゆっくりできる場とした▼「古本で街ににぎわいを」という中高生の熱い思いもあってか、会場は並んだ本を吟味したり、読みふける人たちで盛況だったという。きっと古本との一期一会の貴重な機会であったはず。若い力でまたこんな機会を―と期待する読書の秋である。

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