時間外労働 半数超の企業で違法行為

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月100時間を超える違法な時間外・休日労働を10人以上の労働者に行わせ、最も長い労働者は月170時間に達していた―。長野労働局が昨年度、長時間労働が疑われる県内584企業を対象に実施した調査で、是正・改善を指導した県内製造業の事例だ。

残業時間の上限規制を含めた働き方改革が急がれる中で、国を挙げて過労死や過労自殺の元凶とされる長時間労働の撲滅に向けた取り組みが進んでいる。だが、企業の違法行為は後を絶たない。

調査は、法令違反などの情報が寄せられた企業を対象に行った。その結果、半数以上の324企業が違法な時間外・休日労働をさせていた。このうち、7割以上の238企業で過労死ラインとされる「月80時間超」の違法な時間外労働が認められた。41企業でサービス残業が横行し、産業医による健康についての面接を怠っていた企業も70社あった。

労使双方で残業時間の上限を定めた「三六協定」を締結していても、有名無実化した事例も少なからずあり、この協定が歯止めになっていない実態があらためて浮き彫りとなった。時間外労働の最も長い労働者を調べたところ、月100時間を上回った企業が152社あり、5企業では200時間を超えていた。

調査で特筆すべきは、違法な時間外・休日労働が認められた県内企業の割合(55・5%)が、全国調査平均の43・0%に比べ12・5ポイントも高かったことだ。県内に多い製造業に起因するのか、観光やレジャーに伴う季節的要因なのか。それとも、そのほかに原因があるのか。長野労働局はその辺の事情をしっかりと分析し、これからの監督指導に役立ててほしい。

厚生労働省は従来、重点期間である11月の監督結果のみを公表してきた。今回初めて1年間にわたる調査結果を取りまとめた背景には、電通社員の過労自殺が契機となって働き方改革への機運が高まってきたことや、全国で過労死、過労自殺(未遂含む)の認定件数が200件前後と高止まりしていることへの危機感が背景にある。

長野労働局には労働者を中心に年間2万件ほどの相談が寄せられるという。相談を寄せた本人や家族の切実な訴えに耳を傾け、違法な時間外労働の撲滅に向けて目に見える成果を上げてほしい。

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