春富水力発電所が竣工 農業用水を活用

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春富水力発電所の竣工式で発電開始のボタンを押す関係者=11日、伊那市富県

伊那市春富土地改良区の農業用水路を活用し、県上伊那地域振興局が建設を進めていた「春富水力発電所」の竣工式が11日、関係者約60人が参列して同市富県の現地で開かれた。県は、今月末の竣工検査を経て、運営管理に当たる同土地改良区への譲与手続きに入る計画。かんがい期の4~9月に発電し、全量売電で得た収入を農業用施設の維持管理などに充てていく。

県営かんがい排水事業の一環で整備を決め、一昨年9月に着工した。長さ約40メートルの導水管や水車式発電機といった主要施設が完成し、4月から試験発電と売電を開始。試験を重ね、目標とした197キロワットの最大出力を「安定して達成できるようになった」(堀田文雄振興局長)という。

有効落差は22メートル、最大使用水量は毎秒1・12立方メートル。4~9月の発電量は、一般家庭約220世帯分の年間消費電力に相当する65万2000キロワット時を見込む。設計・工事を合わせてプロポーザル(企画提案)方式で発注し、ヤマウラ(駒ケ根市)が請け負っていた。

式典で、県の太田寛副知事は「能力を十分に発揮し、この地域の農業基盤施設の維持管理に役立ってほしい」とあいさつ。伊那市の白鳥孝市長は「近隣には木質バイオマスの製造場所もある。一帯を再生可能エネルギーの推進エリアに位置付け、低炭素社会実現に向けて取り組んでいきたい」と祝辞を寄せた。

春富土地改良区の織井秀夫理事長は「小水力発電の適地とみなされていた場所に待望の施設が建設された」と、行政機関や施工業者、地権者らの尽力と協力に感謝。「改良区としては初めての事業になるが、健全な運営管理をして農業基盤施設の保全や組合員の負担軽減につなげたい」と話した。

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