まるで「万治の石仏」 下諏訪の東俣川

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下諏訪町の東俣川で見つかった「万治の石仏」に似た石造物

下諏訪町の山林内を流れる東俣川で、同町東山田にある野仏「万治の石仏」に似た石造物があることが分かった。一部の人しか知られていなかった石造物といい、長年探し続けていた県鳥獣保護管理員の高橋桂さん(76)=同町矢木町=が、八島湿原でニホンジカのわなの点検を行う途中で偶然見つけた。

見つかったのは萩倉―大平間の東俣川左岸。幅4メートル、高さ3メートルほどの台形をした大きな石の上に、頭と見られる高さ60センチほどの石が乗り、目や鼻、口などが施されている。

高橋さんによると、かつては巨石の上に、何も加工してない自然石が置かれていたが、1987(昭和62)年、近くで水路の取水口工事に携わった萩倉出身の建設業男性(故人)が、上部の石だけ重機で持ち上げ自宅に運搬。顔を彫り、元の巨石の上に戻したらしいという。

石造物は「万治の石仏」より大きく、「頭」と巨石はコンクリートで固定してある。

前年の86年には諏訪大社御柱祭があった。祭りに参加した画家の岡本太郎が、下社春宮近くの「万治の石仏」を有名にしていたこともきっかけだったとみられるという。

高橋さんは、男性は萩倉林道の開通に合わせ沿道に桜の苗木を植えるなど「奉仕者だった」と振り返り、岡本の影響を受けた男性が、善意で万治の石仏のような「顔を彫りたかったのではないか」と想像する。

高橋さんは長年猟師で11年前からは鳥獣保護管理員。見つけたのは11日で、管理員の仕事帰りに林道を歩いていて、「頭」だけがまず目に止まり「本物だ」と驚いたという。「30年くらい前からなにか石仏があることは聞いていたが、発見して言葉が出なかった」とする。

石造物は下流左岸を向いている。高橋さんは「顔立ちがいい」とし、「(下流域にある)町に災害がないよう願っているのではないか」と推測する。その上で「人知れず安置されている『石仏』に騒ぐことなく、静かに見守ってもらえれば」とも願っている。

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