2017年09月17日付

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英語では「wisdom tooth(知恵の歯)」と言うのだそうだ。知恵がついて物事の分別がつく年頃に生えてくる歯という意味があるらしい。日本では「親知らず」と呼ばれる▼その治療のため、しばらくまともに食事をすることができなかった。乳飲料などから少しずつ慣らし、そのうちパンやおかゆのようなものが食べられるようになった。そんな生活が数日続いた▼当初は食欲自体がなかったから気にしなかったが、体調が回復するにつれ味気なく思えてきた。思うように食べられないと、何となくいろいろなことにも意欲がわかない。ただ空腹を満たせばよいというわけではないのだろう。「食べる」ことの大切さを実感した▼先月、リハビリテーションに関わる理学療法士や作業療法士、言語聴覚士らを対象にした懇話会が岡谷市で開かれた。テーマは食事だった。専門家による講演では、さまざまな調査・研究から、食べることに欠かせない歯の健康と寿命には密接な関係があることが紹介された。認知症との関連もありそうだという。まさに「食べる」ことと「生きる」ことは一体と言えよう▼現代にはサプリメントのような便利なものもあるが、まずはきちんと自分の歯で食べることが基本になろう。それが健康や生きがいにもつながっている。今まであまり意識したことはなかったが、“知恵の歯”が教えてくれたのかもしれない。

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