巣の数2割増 スズメバチ駆除は細心の注意を

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コガタスズメバチの巣

県内各地で今年、スズメバチが例年より多く巣を掛け、駆除の相談が相次いでいる。中川村を拠点とする「信州日本みつばちの会」の会長で、ハチ研究家の富永朝和さん(79)=同村=によると、巣の数は「平年のほぼ2割増し」。春先の天候が巣づくりの環境に適し、数が増えた可能性が高い。千曲市では巣の駆除に使った火気で県宝の建物が焼ける火災もあり、富永さんは「駆除には細心の注意が必要」と話している。

今季はすでに30個以上撤去

スズメバチは前年秋に巣立ち越冬した女王バチが、翌春から巣をつくり始める。材料は木の皮や樹液で、春に雨が多いと内部がカビたり、材料がはがれ落ちて巣が形づくれない。一方、今年は春先の湿度がほど良く「巣が多く残った」(富永さん)とみられる。ただ「春に一時低温だった時期があり、巣の大きさは小ぶり」ともいう。

ハチの種類は、地中や木の洞に巣をつくるオオスズメバチのほか、地上につくるキイロスズメバチなどに大別される。富永さんに寄せられた相談では、民家の軒先や床下、換気扇のダクト内、使わない煙突、高木、鉄塔などにつくったケースがあり、今季はすでに30個以上を撤去した。

今月6日夜には千曲市の武水別神社の神主松田家に伝わる屋敷「松田館」で、ハチの巣撤去に使った火気が建物に移り、県宝の主屋などが全焼した。同市によると、駆除では煙幕とスプレー式の殺虫剤を併用したとみられている。富永さんは「噴射式の殺虫剤は可燃性ガスを含み、高温になる煙幕との併用は引火の危険性が高い。煙幕なら煙幕だけ、殺虫剤なら殺虫剤だけを使うのが駆除の原則」と注意する。

また、煙幕は着火直後に筒先から火の粉が出るため、煙だけが出るのを待って近づけないと巣に火が付く。駆除では巣を取り除く前に高熱になった煙幕の筒を必ず回収し、巣のかけらを残らず片付けないと「火が付いていると気づかずに放置し、建物に引火して数時間後に家が火事になった事例がある」と説明する。

ほかにも「ハチは振動に敏感で巣を揺らすと攻撃性が高まるし、撤去した後に巣へ戻る働きバチを処分しないと刺される」という。

生活圏にある巣は危険

富永さんは過去最高で年間約300個の巣を駆除をした経験をもつ。「ハチに刺されて亡くなった方もおり、生活圏にある巣は危険。安易に手を出さず相談してほしい」と話す。駆除の料金は基本1個1万2000円~。問い合わせは富永さん(電話090・5562・7908)へ。

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