縄文文化賞に矢野さん(立命館大文学部教授)

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茅野市の「宮坂英弌記念尖石縄文文化賞選考委員会」(小林達雄委員長)は20日、今年度の受賞者を、立命館大学文学部教授の矢野健一さん(57)=京都市=とする答申をした。市は同日、答申通り受賞者に決めた。矢野さんの西日本の縄文文化研究、活動に対する功績を認めた。

文化賞は、縄文時代を代表する国指定特別史跡・尖石遺跡の発掘と集落の研究に情熱を注いだ、茅野市出身の考古学者故宮坂英弌氏を記念し、縄文時代の研究に功績があった個人、団体を表彰する。今年で18回目で自薦、他薦の12人から選んだ。

選考委によると、矢野さんは、押型文土器の研究を出発点に、西日本の縄文土器形式から社会構造の研究を進め、緻密な土器編年を築いた。さらに多様な土器形式の研究から人などの動きや広がりの変化を捉え、その流動性が縄文時代の重要な特徴であること、流れが後期以降弱まりつつ弥生社会に移行する捉え方を明らかにした。関西の縄文研究の活性化にも貢献する。

矢野さんは山口県下関市生まれ。京都大学文学部史学科考古学専攻を卒業。2002年に立命館大文学部助教授、07年から同教授。考古学研究会常任理事などを歴任し、現在は関西縄文文化研究会の代表も務める。

矢野さんは「土器編年の研究は地道だが、縄文文化の研究で最も基礎となる部分で、そこに貢献したいとの気持ちで続けてきた。尖石という縄文研究のメッカから、尊敬する宮坂英弌先生の賞をいただき、身に余る光栄。いっそう研究に精進したい」と受賞を喜んだ。

答申後の記者発表で、柳平千代一市長は「これからも尖石を中心とした縄文遺跡、文化を発信し、史跡保存、新たな展開に取り組んでいきたい」などと話した。授賞式は10月7日、茅野市尖石縄文考古館で開く。矢野さんの記念講演もある。

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