宇宙から松くい虫被害把握 信大とJAXA

LINEで送る
Pocket

JAXAから受託した実証研究について説明する信大山岳科学研究所の加藤正人教授(左から2人目)

信州大学(本部・松本市)は21日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から2020年に打ち上げ予定の先進光学衛星の利用検討を行うため、同大山岳科学研究所(南箕輪村)の加藤正人教授が開発した知財技術を用いて、松くい虫被害などを把握する実証研究を、県や伊那市、松本市、北信州森林組合(中野市)と連携して行うと発表した。

信大と松本市が人工衛星を利用した「松くい虫被害区分」などの研究成果と技術が評価され、JAXAから先進光学衛星に搭載する大型化・高性能化センサーを林業分野に生かす研究(単木の樹種分類、松くい虫の被害区分)を受託した。

実証研究のうち、松くい虫被害の区分は、伊那市と松本市で行い、有用性の評価を行う。商業衛星の画像データで被害区分算定装置などを用いて被害のない「健全木」と松枯れの可能性がある「感染木」、被害に遭った「枯死木」に区分けする。伊那市では100平方キロメートルの森林で衛星データの解析を行い、被害対策に有効な感染木を抽出する計画だ。

松くい虫被害の調査は目視で行われているが、誤差や見落としなどもあり、被害を区分けするのは不可能という。会見で加藤教授は「独自開発したシステムを使えば、いち早く感染木を特定して伐採、処理できる」と被害の拡大防止に役立つと述べた。

2016年に「50年の森林ビジョン」を策定し、林業の産業化にも取り組む伊那市の白鳥孝市長は「新しいシステムに大変期待している。伊那市はマツタケ山が多くあり、守っていきたい。感染木を仕分けすることで効率よく作業が出来る」と話した。

単木の樹種分類は北信州森林組合で実施する。

おすすめ情報

PAGE TOP