漢詩の道30年の足跡 小口さんが詩集発刊

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日々感じたあらゆることを作詩した中から、300詩を自選し「冬雨自撰漢詩藻」を発刊した小口友さん

漢詩作りに取り組んで30余年、全国漢詩連盟評議員を務めた小口友さん(92)=岡谷市堀ノ内=は、詩集「冬雨自撰漢詩藻」を発刊した。身の回りの小さな感動から政治、世界情勢に至るまで縦横無尽に作詩。作りためた700詩から300詩に絞り年月日順に収録した。自身の足跡が記され同好者への道しるべともなっている。

小口さんは諏訪高等女学校(現諏訪二葉高校)、松本高等女学校専攻科卒業。女学校教員免許を取得し、岡谷市開発公社に15年間勤務した。二葉高同窓会長、カノラホール・ソサエティ副会長、漢詩結社「三餘風雅社」会長、県漢詩連盟顧問などを歴任した。

漢詩との出合いは59歳のとき、同結社設立者の水墨画家武井寿々子さんに声を掛けられた。もともと表意文字の漢字が大好きで、夫や母親を見送った後「生きたいように生ける時間をもらった」と、感謝しながら漢詩作りにいそしんだ。

以来、漢詩人の小松智山さんの下、日々感じたあらゆることを五言古詩から七言律詩で作詩。その過程で杜甫が反戦詩を多く作ったことを知り、「制約の多い漢詩は縛られる文学の最たるもの。最高の文学」を実感、今日まで活動を続けている。

発刊は、昨年体調を壊し、「自分史にも代えて足跡を一本に残したい」という思いから取り掛かり、今夏はベッドの上で校正を重ねた。

上梓に際し、武井さんは「知性と生来のたおやかで鋭い感性が全てのものに注がれ、漢詩の世界を高みにまで到らせた」、同結社の小口由企夫会長は「体調がすぐれない中、一詩とも捨てがたい中での絞り込みや校正などをやり遂げられた。漢詩集の発刊はほとんどないだけに慶賀に堪えない」と寄せた。

小口友さんは「月日は豊かに流れ、その流れに沿って歩いた道程こそが確かな足跡になった」と振り返り、「主治医の立花直子先生が『病める者に励みになる』『杜甫と李白を身近に感じた』と言われ、私も大きな励みをもらった。上梓は印刷所をはじめ周囲の方々のおかげです」と感謝している。

A5判。238ページ。丸加印刷所(岡谷市)発行。問い合わせは小口さん(電話090・4442・5586)へ。

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