マツタケ苦しい前半戦 上伊那の直売所

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伊那市の産直市場「グリーンファーム」に並ぶ地元産マツタケ。入荷量は平年よりかなり少ないという

秋の味覚の王様と言われるマツタケの出来が低調だ。上伊那地方の直売所でも入荷が滞っており、「平年の1割も入ってこない」との声も。品薄状態を反映して値は高めに推移する。地域の生産者やキノコ採り名人らは、秋の初めに極端な低温に見舞われたことや、最盛期のこの時期に雨が降らないことなどを不振の要因として挙げ、シーズン後半は収量が上向くことを願っている。

上伊那地方や近隣のマツタケが集まる伊那市ますみケ丘の産直市場「グリーンファーム」。例年9月下旬は1日に100キロの入荷があるが、古牧貴志店長によると、今秋は20~25キロ程度で雑キノコも総じて少ないという。

伊那保健福祉事務所が週2日開設する鑑別相談所も”開店休業”状態に近く、「持ち込む人の数も、キノコの量も種類も少ない」。飯島町でマツタケなどを採取するグリーンファーム資材部の米澤祥司さん(64)は「山が全体的に乾き気味だ。ここにきての少雨が痛い」といい、「しとしとと降る雨がこの辺りでほしい」と願う。

マツタケは、地中の温度が19度を下回ると発生に向けて芽が動き出す。その後に地温が再上昇すると芽が死んでしまうため、厳しい残暑が続かないことが理想だ。

「マツタケ博士」として知られる伊那市上新山の藤原儀兵衛さん(79)は「自分の山も苦しんでいる」と現況を説明した上で、「今年に限っては戻り温度(地温再上昇)が要因ではない」と断言。9月の初旬にあった強い冷え込みで発生環境に異変が起きた可能性を指摘し、「これまでに経験のないことだが、戻り温度の逆パターンが起きたことが(不出来に)影響しているのではないか」と推測する。

この低温の影響もあって自身が管理する標高1000メートルの山の地温は25日時点で12度となっており、「12度以下になると発芽が悪くなってしまう」と懸念。「この状況であれば暖かい秋がしばらく続いた方がいい。適度な雨はプラスに働くだろうが、地温を下げるような長時間のどっさり雨はいらない」とする。

県産マツタケの年間生産量の平均は約30トン。昨秋までの3季は豊作となっている。

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