2016年4月8日付

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あるべき場所に、あるべき物がない―。こんな状況に陥った経験は誰にでもあるのでは。紛失に気付くと急に心拍数が上がり、慌てて方々のポケットを探ったりバッグの中をあさったり。旅先などではなおのこと、楽しい思い出がこんなことで台無しになろうとは。泣くに泣けない情けない、という思いだろう▼原村の寺本秀美さん(65)の場合、2~4日に行われた諏訪大社御柱祭の上社山出しで、そのピンチに見舞われた。失くしたのはキーホルダーに付けた家と車の鍵。御柱の綱と一緒に木落しの坂を下っていたとき、転んだ拍子にリュックから落ちたらしい▼祭りを楽しんだ帰り道、一緒に来ていた友人の車に乗ろうとして、大事な鍵がないことに気付いた。「落としたのは、あのときだ」。急いで警察署に問い合わせると、幸いそれらしいキーホルダーを預かっているとのこと▼泥まみれだったが鍵は無事に返ってきた。感謝の気持ちがこみ上げた。「どうしようかと思った。転んだときは助けてもらい、キーホルダーも泥の中から拾い上げてわざわざ届けてくれたんだと思って、本当にうれしくてありがたかった」▼7年前に越してきて今回初参加。「地域の人と一体感が味わえた。みんなが力を出し合って力を合わせるいいお祭り」と振り返ることができる。突然のピンチを見ず知らずの人の思いやりが救ってくれたから。「何とか感謝を伝えたい」

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