貞松院の大字名号 徳本上人の古里へ貸し出し

LINEで送る
Pocket

和歌山県日高町へ貸し出される貞松院の寺宝「大字名号」

諏訪市諏訪2の貞松院(山田雄道住職)の寺宝で、江戸時代の僧の徳本上人の書「大字名号」の掛け軸が初めて外部に貸し出しされる。同上人の古里、和歌山県日高郡日高町で、来月1日に行われる200回忌のまちおこしイベントの目玉遺品として特別展示。同町観光協会の金崎昭仁会長ら関係者2人が28日、同寺を訪れ山田住職の快諾に感謝し、軸を借り受けた。

徳本上人(1758~1818)は、厳しい修行をしながら念仏を唱えて全国を行脚し、庶民に信頼された高僧と伝わる。1816(文化13)年3月、江戸から上州、信州に布教に出て、貞松院には1カ月ほど滞在。その際、長さ5・5メートル×幅1・2メートルの紙に「南無阿弥陀仏」と揮毫した。多くの信者に教えを説き、本堂に入りきれない信者のために、大字名号を屋外に掲げられたとされる。

同名号は上人の「天下の三幅」の一つとされ、現存するのは同寺だけ。文字は丸みを帯びて終筆がはね上がっていることから、縁起がよいとされ、「徳本文字」「ひげ文字」と呼ばれている。同市上諏訪の唐澤山阿弥陀寺の磨崖の名号碑の元とされている。

日高町では10月1日に、生誕した「誕生院」で法要や記念法話、上人ゆかりの作品展などを行う。一昨年、関係者が県内での名号碑の調査中に、貞松院で同遺品の存在を確認した。同名号は、ゆかりの作品会場の中央に展示されるという。

本堂に広げられた大字名号を見て金崎会長(59)は「すごみを感じる」と見入った。「一番の目玉となる大字名号をお借りでき、感謝している。ぜひとも見たいと町民の関心も高まっている」と話し、徳本上人を観光資源とした展開にも意欲的だった。

名号の特別公開は、昨年と一昨年の貞松院寺宝展に続き3回目。山田住職は「縁があっての里帰り。徳本上人が200年前に諏訪に来て、名号を残したことを、両地域の住民や全国に知っていただければ」と期待を寄せていた。

10月3日に貞松院に戻る予定。

おすすめ情報

PAGE TOP