2017年10月02日付

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9月下旬ぐらいから、朝はひんやりした空気に包まれるようになっていたが、きのうはそれを通り越し、寒いぐらいだった。中央アルプスを見上げると錦の帯が下り始め、伊那谷が秋らしくなっているのが分かった▼神社では秋祭りの宵祭り、保育園では運動会、中学校では文化祭が行われた土曜日。日曜日も天候に恵まれ、各地のイベントが人を集めた。まさに行楽の秋を迎えているのだが、衆院解散で事実上の選挙戦に突入し、秋を楽しむ余裕などない人もいる▼騒がれているわりに、街中は静かだった。だが、吹く風によってあっという間に状況が変わっていくのが選挙だ。突然の盛り上がりに、地方も知らぬ間に巻き込まれていくのだろうか▼風が気持ちよく通り過ぎていく昼過ぎに、段丘の林の中でミンミンゼミが鳴き出した。競うような大合唱だった夏とは違い、独唱だった。テンポも遅く、どことなく哀愁が漂う。今まで気付いていなかっただけかもしれないが、夏のイメージがあるセミが、衣替えの頃になっても鳴いているのには驚いた▼セミの幼虫はどういうタイミングで地中からはい出てくるのか。地上の風を読み違えたのか、あるいはわざと遅らせたのか。林の中で仲間を探しているようで、移動してはあっちで鳴き、こっちで鳴いている様子を見ていると、「今ごろ」とか、「まだいたのか」などと言ってはかわいそうな気がしてきた。

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